2-3 商標の更新
商標権の更新登録
商標権は、登録より10年で消滅します。(商標法19条1項)
しかし、商標権は更新が可能です。(商標法19条2項)
一定期間で権利の終わる特許等とは違い、商標の更新は何回でも行うことができますので、更新し続ける限り半永久的に商標権は存続します。
商標権の更新登録を行うには、 特許庁に「商標権存続期間更新登録申請書」を提出し、更新登録料を支払う必要があります。また、更新手続きができるのは「存続期間の満了前の半年間」という時期に限定されています。
しかしながら、商標権の存続期間の更新登録手続の時期は、下記の通知サービス以外、特許庁からの通知はありません。各権利者の管理に任されています。
商標更新期限通知サービス
特許(登録)料支払期限通知サービス は、登録料の納付期限切れや商標の更新期限切れを予防するため、メールを利用して次期年金納付期限日、商標更新期限をお知らせするサービスです。
https://www.rpa.jpo.go.jp/
※ ただし商標の更新は10年後になります。10年後に連絡が届くよう、登録したメールアドレスの管理にご注意ください。
最新の情報は特許庁HPで
法律や制度は随時改正されています。最新の情報につきましては、 特許庁HP にてご確認ください。
商標権の更新登録をしなかったら?
存続期間満了日に、商標権が消滅します。
ただし、存続期間満了日から半年間は、 通常の更新登録料の2倍の金額を納付することで、 更新登録をすることができます。(商標法20条3項)時系列で並べると、以下のようになります。
※ 特許権,実用新案権,意匠権については、自動納付制度も設けられております。
しかし、商標権については 自動更新はありません。
消滅した商標を、また取得する事はできるの?
更新登録を行わないと、その商標権は消滅します。
ただし商標に関しては、商標権が消滅してしまっても、同じ商標・同じ指定商品で再度出願することができます。(特許権等では再出願はできません。)
しかし再出願をする前に、もし他人がその商標を出願していたら、権利を取得できなくなります。
つまり 同じ商標・同じ指定商品で他の人が商標を取得することが可能 なのです。
すると、こんな事態が起こる可能性があります。
商標の更新に関する悲劇
小さな会社の社長のAさんは商標「○○」について、商標登録を受けました。忙しく商売に励む日々、その間、Aさんの手元には、特許庁から何回か封筒が来たようですが、よく内容を確認しないまま、商標登録からあっという間に10年が経ってしまいました。
さて、Aさんの商標「○○」はどうなってしまったのでしょうか。苦労して取得した商標「○○」ですが、設定の登録の日より10年間で終了します。ですので、Aさんの商標「○○」はすでに消滅していることになります。
Aさんは「まあ、商標「○○」はそれほど使用していなかったから、無くてもいいかな」と思い、そのままにしました。
それから2年後のある日、Aさんはこれまでどおり、商標「○○」を使ったチラシを配布しました。数日後、Aさんの手元に内容証明郵便が届きました。その中には、驚愕の内容が書かれていました。なんと、商標「○○」を所有するBさんが、Aさんに対して、商標「○○」の使用の中止を求めてきたのです。
自分の持っていたはずの商標「○○」が、いつの間にか、Bさんが登録している! こんなことはありえないとお思いかも知れませんが、商標法においては、商標が消滅した後、まったく同じ商標、まったく同じ指定商品などで他の人が商標を取得することが可能なのです。
※ なお特許法では、一度公開された発明で特許権を取得することはできません。また特許権を失っても、自分がその発明を実施できなくなることは有りません。
商標の更新忘れにご注意を!
商標権をお持ちの方は、商標の更新登録の期限は、ご注意ください。
また、万が一商標の更新登録を忘れてしまった場合にも、なるべく早く再度の出願を行いましょう。
弊所で管理させていただいている商標につきましては、期限が近くなりましたらクライアント様へ更新のご連絡を差し上げます。
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