2-4 商標権の変更・譲渡・放棄


1.住所や名称の変更

・出願~登録になる前に住所や名称が変わった場合、 特許庁に「住所(名称)変更届」を提出します。
・登録後に住所や名称が変わった場合、 特許庁に「登録名義人の表示変更登録申請書」を提出します。
・変更を証明するための書類等は、基本的に必要ありません。

書類特許庁費用
出願中住所(名称)変更届無料
登録後登録名義人の表示変更登録申請書1,000円
(登録免許税)
※ 弊所手数料は含まれておりません。登録免許税は住所・名称それぞれにかかります。

2.商標の譲渡

商標は他者に譲渡できますか?

商標権の譲渡は可能です。以下の手続きが必要になります。

・出願~登録になる前に譲渡する場合、「商標を受ける権利」を移転するため、特許庁に「出願人名義変更届」を提出します。
・登録後に譲渡する場合は、「商標権」を移転するため、特許庁に「移転登録申請」を提出します。
・譲渡を証明する書面(譲渡証書・放棄証書等)が必要ですが、契約書の原本などを特許庁に提出する必要はありません。

書類特許庁費用
出願中出願人名義変更届,譲渡証書等4,200円
登録後移転登録申請書,譲渡証書等30,000円
(登録免許税)
※ 弊所手数料は含まれておりません

相続や合併で譲り受けた場合も、手続が必要ですか?

手続が必要です。 手続き的にはほとんど変わりませんが 「一般承継」扱いとなり、特許庁費用が少し変わります。

3.商標権の分割

「指定商品を分割する」分割は可能です(商標法第24条)。
しかし、「商標そのものを分割する」分割はできません。

指定商標分割の例

たとえば、以下のような商標と指定役務の商標があるとします。


指定役務:第45類
工業所有権に関する手続きの代理,訴訟事件その他に関する法律事務


これを
・ 商標1 同じ商標 第45類 工業所有権に関する手続きの代理
・ 商標2 同じ商標 第45類 訴訟事件その他に関する法律事務
と分割することはできます。しかし、以下のような商標そのものの分割はできません。


商標1:
第45類
工業所有権に関する手続きの代理


商標2:
第45類
工業所有権に関する手続きの代理

4.商標権の放棄

商標権が不要になった場合には、いつでも権利を放棄することができます
また、指定商品・役務が複数ある場合には、一つずつ放棄することもできます。
しかし、権利を放棄しても、 納付済みの登録料が返還されることはありません。(商標法42条)

また、放棄の手続をしなくても、更新登録申請を行わなければ、 登録から10年が過ぎれば自動的に消滅します。
そのため、書類を提出してまで自発的に権利を放棄することは、あまり行われていないようです。
なお消滅した商標については、同じ商標・同じ指定商品で他者が取得することが可能です。

最新の情報は特許庁HPで

法律や制度は随時改正されています。最新の情報につきましては、 特許庁HP にてご確認ください。