3-4 さまざまな制度


小売等役務商標制度

小売等役務商標制度とは?

小売等役務商標制度とは、小売業者又は卸売業者(以下、「小売業者」とします)が、店舗の看板,店員の制服,ショッピングカート等に使用する商標を含め、小売業者が使用する商標をサービスマーク(役務商標)として保護する制度です。既に、欧米をはじめとした多くの国々で採用されています。
小売商標とは、小売等役務商標制度を利用して取得された商標をいいます。

どんな業種が対象なの?

衣料品店,八百屋,肉屋,酒屋,眼鏡屋,本屋,家具屋,家電量販店,飲食店,スーパー,コンビニエンスストア,ホームセンター,百貨店,卸問屋・・・等
あらゆる 小売業者、卸売業が対象 となります。カタログ、テレビやインターネットを利用した 通信販売も対象となります。

具体的な使用例は?

小売業者が、取扱商品の値札,折込みチラシ,レシート,ショッピングカート,買い物かご,陳列棚,会計用レジスター,店舗の看板,店舗内の売り場の案内板,店舗内の売場の名称,店員の制服・名札,レジ袋,包装紙等に表示する商標をいいます。
また、テレビ広告,インターネットにおける広告などに表示する商標も含まれます。

小売等役務商標制度で、何が変わったの?

これまで小売店が、自分の店舗名を取扱商品に表示せずに、店舗の看板や従業員の制服に使用している場合には、商品について使用する商標とは考えられなかったため、これまでの商標法では保護されませんでした。
しかし、小売等役務商標制度の導入により、小売店の商標が適切に保護されるようになりました。

類の指定はどうするの?

例えば、食肉、お菓子、野菜、清涼飲料、洋酒のそれぞれ異なる5つの類の商品を扱っていて、ショッピングカートにつける商標を付することを考えた場合、第35類という1つの区分に出願すればよく、取扱商品の範囲に応じて区分の数が多くなるということはありません。
商品の場合は、食肉、お菓子、野菜、清涼飲料、洋酒という、5つの区分で登録を受ける必要が有ります。)

種苗法

植物の新品種については、種苗法による保護が受けられます。
保護を受けるためには、農林水産省に出願し、品種登録を受ける必要が有ります。
種苗法による保護は、登録品種の「種苗」、「収穫物」、「加工品」について、その生産、譲渡、輸出、輸入又は保管等を行なう権利を専有することができます。

農林水産省 品種登録ホームページ

商標法における種苗法

商標が品種登録を受けた品種の名称と類似し、商品が品種登録を受けた品種と類似する場合には、その商標登録出願は、登録されません。(商標法4条1項14号)

種苗法における商標法

出願品種の名称がある登録商標の名称と類似し、出願品種がその登録商標の商品と類似する場合は、その品種登録出願は、品種登録されません。(種苗法4条1項2号)

種苗法と商標法の間で生じる問題点

品種登録は、品種登録出願から栽培試験を通して、3~4年程度かかります。
また、品種登録出願より3ヶ月から1年後に出願に関する情報が出願公表されます。
一方、商標登録は出願より半年から1年程度で登録になります。